御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
逃避
25歳。私は悪魔と出会った。

「待たせて悪かったな。俺たちの連れが何かしたか?」

ワインの品評会に参加してナンパされて困っていた所へとんでもないイケメン二人組が助けに入った。

「何か用があるなら、俺たちが聞くぞ?」

彼はそう言って男たちに低く落ち着いた声色で話すも、目は笑っていない。

「大丈夫?」

そして男たちが諦めて逃げるように立ち去った後、心配そうに顔を覗き込まれる。

あまりにも眉目秀麗なその顔にドクンドクンと早まる鼓動で呼吸が浅くなり、でもそれを悟られたくなくて手にしていたワインを飲んで誤魔化した。


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