御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
春香は何も言わなかったけど、春香の表情やしぐさから俺を想う気持ちが伝わった。

お前が言えないなら俺が言う。

何度も抱きながら気持ちを伝えた。

俺を忘れないように。
春香の身体に刻み込むように。

俺はこれまで春香といてわかった事がある。
どこか俺みたいな奴に対して一線を引いていると。

そんな線、俺がとっぱらってやる。
この先も。
離れたって俺は逃がさない。

どこに行ったって俺の気持ちは変わらない。

春香は最後まで俺の気持ちには答えなかった。

この意地っ張りは本当に。

きっと春香は俺と気持ちが通じた所でニューヨーク行きは変えられないから、答えなかったのだろう。

俺も無理強いして、それが春香の足枷になるなら答えはいらない。

でも俺の気持ちだけは伝えたかった。
信じて欲しかった。

春香の覚悟を踏みにじらない為にも俺もニューヨーク行きの事に関しては何も言わない事にした。

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