御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「春香はね、君くらいの人じゃないとダメだろう。気も強いし、頑固だし。素直じゃない」

そりゃごもっともだ。
でも俺にはそれすらも可愛くて仕方ない。

「ははは。春香、ニューヨークで寂しくしてるかもしれないね。会いに行ってやってくれ。俺の代わりに」

「もちろんです」

「結婚はあくまでも、春香が君を "選んだら" だからね」

釘を刺される。

「わかってます」

「でも少し前からやたらと機嫌が良かったし、明るくなったと思ってたが。まさか君と"お友達"になっていたとはね」

お友達を強調される。
でも機嫌良かったのか。

「実はこっそり聞いてたんだよ息子に」

「息子さんに?」

「ああ。サッカーの応援、行ってくれたろ?」

「あ、はい」

あれは俺が勝手に着いてったんだけどな。
< 111 / 270 >

この作品をシェア

pagetop