御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
そんな事を思いながらアパートの前までやっと辿り着いた。

「よっ」

え…

何で…

「大河…?」

これは夢か?
ここはニューヨークだ。

疲れすぎて幻想を見たか?

私は瞬きを繰り返す。

やっぱり大河だ。
私は思わずクルッと向きを変えて来た道を走り出す。

「ちょいちょい!」

走って追いかけてきた大河にあっさり捕まってしまった。

後ろから抱きしめられる。

「春香。俺から逃げんなよ」

耳元で囁かれる。

それだけで全身がビリビリと熱を持ち鼓動が破裂しそうなくらい音を立てて動く。

「なんで来たのっ!」

私はついキツく言ってしまう。
本当に可愛くない。

「お友達の春香に会いにきて何が悪い?」

振り向かされニカッと笑う大河。

お友達って…
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