御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
向き合い見つめ合えば引き寄せられるようにキスをする。

全身で愛を伝えるみたいに、力強いけどひとつひとつが優しくて丁寧に私を扱う。

その手からはもう大河の気持ちがひしひしと伝わってくるようだった。

「俺から…逃げんな」

まただ。
また言われた。

そして逃すまいと強く抱きしめられ下から突き上げられる。

「あっ…んっ!」

「諦めて俺のになって…」

「んっ…はぁっ…」

耳元で囁くその声は甘く、私の首を這う舌は火傷しそうなくらい熱を持って食らいついてくる。

もう本当に…
逃げられない…
この人の愛から。

「大河っ…止まって…」

「無理。逃げんだろお前…」

離すまいと更に激しさをます大河。

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