御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない


「一人暮らしなんだからこんなもんでしょうよ」

そんな事を言いながら、そろそろなくなりそうなマヨネーズをひっくり返して床に向かって勢いよくブンと振り回す。

すると蓋が緩かったらしく、蓋は遥か遠くへ飛びマヨネーズは華麗に見事な曲線を床や壁に描いた。

「うおっ!」

「嘘ー!?」

「ククククっ! やーっば。見ろよこれ」

「最悪なんだけど!」

「はははっ! お前、勢いよく振りすぎなんだよ。そのまま動くな」

そう言って一旦火を止める大河。

私のスリッパは完璧にマヨネーズで装飾されてしまった。

「だって最後まで使いたいじゃーん」

もうベソをかく。

「いや、わかるけどよ」

大河はずっと笑ってる。

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