御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
大河がしゃがんでベトベトのスリッパを手にする。

「ごめん大河ー」

私は大河の肩に掴まってそろーっとスリッパを脱いで後ろに足を置く。

「そこ違う!」

え?

時既に遅し。

今度は後ろに飛び散った床のマヨネーズを素足で踏んだ。

「大河ぁー! 気持ち悪いー!」

「わかったから叫ぶな。笑うから」

そう言って私を子供を抱き上げるみたいに脇の下に手を入れて持ち上げシャワールームへ連れて行かれる。

足を洗われ、スリッパも洗ってくれる大河。

「ねぇ」

「ん」

「さすがだね」

「何が」

「立派だ。大河は」

すると何を思ったんだか服を着てるっていうのに顔面にシャワーをかけられた。

「ちょっとー!」

「ははは!」

私もすかさずシャワーを奪ってかけてやった。

結局二人でずぶ濡れになって狭いシャワー室で裸になると、どこでスイッチが入ったのかそのまま抱かれてしまった。
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