御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
そしてホワホワとしたまま二人でシャワー室から出て悲惨な壁を見る。

「あー。そうだった」

「だから」

「どんだけだよ本当に。写真とっとこ」

おい。

「お前そこに立って、マヨネーズ指差して」

「ねぇ! それ違う証拠写真じゃん!」

そう言いながらもしっかりと指を差して写真に納め、まるで甘い時間を過ごした後じゃないくらいテキパキと二人で掃除をしてやっと食事にありついたのだった。

そんなこんなであっという間に帰る日になる。

「それじゃ、またな。行ってきます」

「うん! 行ってらっしゃい」

お互い引き寄せられるようにハグをして人目も気にせずキスをする。

ははは。
ここニューヨークなんで。

こんな事しても目立たないんです。

クスクスと笑ったあと大河はいつもの飛行機へと向かった。

今回も何とか大河の前では泣かずに見送れた…

大河っ…

あと少し。
あと少しだと自分に言い聞かせた。

もうすぐ大河のいる日本に帰る。
内緒で驚かせたい。
大河がいつも現れるみたいに。
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