御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「よっ!」

は?

「なん…で…?」

そこにはこれまで一度も帰国しなかった春香がいた。

「え? 帰ってきた! ただいま!」

そう言って、俺の世界で一番愛しい春香が飛びついてきた。

とっさに抱き止める。
春香はすっぽり俺に抱っこされてる。

「は? どゆこと?」

さすがに慌てる俺。

「だからー、帰ってきたの!」

「へ? 遊びに?」

「じゃくて! ニューヨークおしまい!」

おしまい?
おしまい…
おしまい!?

「本当か!?」

「本当! もう無理! やり切った! 大河と離れたくない!」

笑顔で俺にそう言ってしがみつく春香が可愛すぎてどうにかなりそうだ。

俺はすかさず春香をそのまま後部座席に乗せて、その可愛い唇に食らいついた。

「んっ…」

唇をそっと離し春香を膝の上に乗せる。

「春香…お帰り」

嬉しくてたまらん。
やっぱり俺は限界だったらしい。

この嬉し涙を見られたくなくて春香をキツく抱きしめる。

「大河…? 泣いてる…の?」
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