御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
春香は隣に乗るとニコニコと見てくる。

「何気に初めてだよね? 大河のおうち」

「ああ。俺最近引っ越したんだよ」

「そうなの? 別なマンション?」

「ついてからのお楽しみ」

どんな反応するだろう。
ククククっ。

そして車を走らせる。

「え? ここ? は? パパと住んでんの?」

ここは春香の実家。

「な訳ねぇだろ。まずは挨拶だよ。ちゃんと親父さんにも顔見せてからだ」

「え? え?」

春香はまだ知らないもんな。
俺が親父さんと会ってた事。

俺はズカズカと玄関へ向かう。

「夜分遅くにすみません。神楽です」

インターホンに向かって話すといつものようにメイドが出迎えてくれる。

「神楽様こちらへ。お嬢様も、お帰りなさいませ」

そしてあわあわとしている春香を他所にリビングへ向かう俺。

「おお。大河くん。春香もお帰り。無事に帰ってきたんだな」

「あ…うん?」

春香はまだこの状況について行けてない。

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