御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
それでも全くおさまる気配はない。

「全然おさまらねぇ…」

「ねぇ…本当に…」

そう言いながら俺に困った顔をしてキスをくれる春香に愛しさが増す。

「好きにして。もう大河のだから」

ドクンとひとつ高鳴る鼓動。

「はぁ…本当にお前は…。どうなっても知らねぇぞ」

ただでさえ脆い俺の理性は、その一言で簡単に崩れ落ちた。

クスッと小悪魔のように笑う春香。

「大河が必死だ」

「当たり前だろ。愛しい女抱いてんだ」

「私も、愛してる」

そこからは2人ただひたすらに互いを求めて、眠りについたのはもうすっかり明るくなってからだった。

なんとか俺は朝のアラームを聞いて身体を起こす。

30分も寝れていない。

あいにくまだ週末じゃない。
がっつり木曜日だ。

あ、飛行機もキャンセルしねぇとな。
もう春香はここにいるんだから。

じわっと今更胸が熱くなった。




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