御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
今日からは同じ時間を同じ場所で過ごせる。

気絶するように眠る春香を撫でながらそんな事を思った。

完全に寝不足だが、最高に幸せな朝だ。

支度を済ませ、寝室へ顔を出す。
春香はまだ夢の中だ。

チュッとひとつキスをして俺は仕事に向かった。

「おはよう!」

朝から元気な翠。

「はよ」

ねみ…

「ん? 寝不足? また寝れなかったの?」

まぁ別な意味でな。

「あ、翠。明日の飛行機はキャンセルで。というかもう行かない」

「は? 別れたの!? そんなのダメだよ! 考え直して! 私許さない!」

いやいや。とんちんかんも程々にしろ。
こちとら家まで買ってんだぞ。
忘れたのか?

「違えよ。逆だ逆」

「逆!?」

そんな事を話してれば丈慈も出社してきた。

「はよ。なんだ? また喧嘩か?」

「丈慈! 大河がもうニューヨーク行かないって言うの! あり得ないでしょ!? なんとか言ってよ!」

「は? お前別れたのか!?」

だからさ。
なんなのこの兄妹。
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