御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない


「だから違えって。結婚する。昨日春香が帰ってきた」

「えーー!? 嘘っ!?」

鼓膜破壊されそ。

「それ本当か!?」

丈慈も珍しく驚いている。

「ああ」

「そうか…。良かったな」

丈慈は安心した顔を見せ、翠は何故か泣いている。

「翠。泣くな」

ティッシュを渡せば勢いよく数枚とってチーンと鼻をかむ翠。

「え、それじゃ、今レジデンスに?」

翠は鼻を真っ赤にして聞いてくる。

「ああ。寝てる」

「寝てる…? あ! 大河! 程々にしなさいよ! まさか朝まで!?」

「まぁ」

「信じらんない! どいつもこいつも!」

そう言って今度はぷんぷんしながら秘書室に戻って行った。

「なんであんな怒ってんだ?」

俺は丈慈に聞く。

「さぁ?」

丈慈もわからんという顔をしている。

「しょうがねぇよな? 朝までなんて抱くよな?」

「まぁ」

ほら、俺だけじゃねぇじゃん。

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