御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
コンコン。

執務室のドアがノックされる。
俺と丈慈は顔を見合わせる。

「はい」

ガチャっと扉が開くと社長、つまり丈慈の親父で、俺の親父の兄貴の純平くんと、その後ろには社長秘書の純平くんのいとこである涼太くんが俺たちの執務室に入ってきた。

「何かありましたか?」

丈慈が問うと二人はニヤニヤして俺の両脇に立った。

これは完全に仕事の話しじゃないやつだ。

「ククククっ。大河ー」

ニヤニヤと涼太くんが俺の肩に腕を回す。
なんだよまったく。

「大河、お前陽平から聞いたぞ?」

陽平とは俺の親父だ。

「ああ。うん。結婚する」

「おめでとさん」

純平くんはポンと頭を撫でてきた。
いつまでもガキ扱いだ。

「いやー丈慈といい、大河といい、みんな結婚なんかする歳になったんだなー」

涼太くんが笑いながら話す。
いつまでも若いよな本当に。

「お前らが手がけた大型施設のプロジェクト。デザイン賞とったぞ」

おお。
そりゃ嬉しいな。
丈慈と顔を見合わせる。

すると俺の親父も遅れて入ってきた。

「おう。なんだよ、もう来てたのか」

「早い方がいいだろ」

親父と純平くんが話してる。
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