御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「冨樫」
純平君は俺から離れて表情を一変し、涼太くんを秘書を呼ぶ時の呼び名で読んだ。
親父もビシッと姿勢を正した。
涼太くんも俺からスッと離れ俺たちの正面にたち、胸ポケットから紙を取り出すとそれを純平くんに渡す。
「辞令」
純平くんにそう言われて俺たちも立ち上がった。
きたな。
「神楽丈慈、今月をもって専務の職務を解き来月から社長に任命する」
そして次に俺を見た。
「神楽大河、今月をもって常務の職務を解き来月から副社長に任命する」
「「はい」」
俺たちは声を揃えしっかりと答えた。
「以上だ」
そして親父達はゾロゾロと部屋を出て行ったのだった。
俺たちは特に何も話さないまま、目だけを合わせて頷くとまた業務へ戻った。
そろそろ代替わりだとは思ってたしな。
ついにか。