御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「美味しそうな匂い」

そう言って春香を思いっきり吸う。

「ねぇ、それどっちの意味よ」

「ははは。どっちも」

そう言ってキスを落とす。

「もう休んでなくて大丈夫なのか?」

「もう、平気」

「マヨネーズぶちまけてねぇか?」

「大丈夫だってば!」

「ククククっ」

リビングに移動してからもずっとウザいくらいに春香から離れない俺。

「大河、ご機嫌だね」

「帰ってきて春香がいるって思った以上に嬉しいわ」

「ふふふ。私も待ってるのなかなか良かった」

「そう言えばお前仕事は?」

「ああ。それなんだけど…」

「ん?」

「もう完全燃焼しちゃったもんで…辞めるって言っちゃった」

そう言って、てへっと笑う。
か、可愛い。

「そうか。よく頑張ったもんな」

春香はコクっと頷く。

「天音ちゃんも専業主婦だし、お前もそれでいいんじゃないか?」

「いいの? 私もそうしたい」

「ああ。俺、来月から副社長だし」

Vサインをしてみせる。
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