御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
『だからね、だんだんと俺もね、春香の話を聞きたくなってしまってね』

「パパ…」

『気づけばすっかり受け入れてしまっていたよ。春香もあんな彼だから心を開いたんだろ?』

「うん…」

本当にそう。

『春香と付き合い出してすぐに報告してくれたよ。一年半もニューヨークと日本を行き来して。なかなかできる事じゃない』

そうだよね。

『もちろん、飛行機代だって普通の会社員なら出せないだろう。でもそれ以前に片道13時間もかけて隔週で通ってたろ? 仕事だって立派にこなして』

「うん…」

『本当に好きじゃなかったら出来ないよ』

「うん」

『春香を支えたいって言ってたよ彼』

そんな事まで…

『今度は春香が支えてあげなさい』

「はい」

『彼なら俺は安心して嫁にだせる。春香も大河くんを信じて、寄り添ってあげなさい』

「うん」

『春香、一人暮らしもニューヨークも良く頑張ったな。おかえり』

じわっとまた胸が熱くなる。

「ただいまパパ」

『それじゃ、また明日』

「また明日ね」




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