御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「もしもし」

『春香! わり! 今日ハウスキーパー来る日だった! 言うの忘れてた!』

そういう事ね。

「今、土井さんて人きたところ」

『あ、土井さんていうの?』

知らなかったんかーい。

「まずわかった! オッケー」

そう言って電話を切った。

「土井さん。はじめまして、春香と申します。だいたいいつも何時間くらい来てくれてたんですか?」

「春香さんね! 別嬪さんだわー。こんな素敵なお家住んでるんだもの、どんな人かと思ってたのよ。あなたにピッタリね!」

土井さんはマスク越しにニッコニコで褒めてくれる。

「恐縮です。それで、何時間くらい…」

「あ、あらやだ! だいたい3時間くらいかしらね?」

「そうですか。それじゃ、いつも通りお任せしてもよろしいですか?」

「はい。お任せください。奥様は楽にしていただいて」

「あ、私ちょっとその間出てます」

「あら。ごめんなさいね。お気を使わせてしまって」

「いえいえ。よろしくお願いします」
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