御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない

そして私は天音の家に向かう。

ひひひ。

ピンポーンと鳴らせばすぐに玄関が開いた。

「春香！」

「やっほー！　来ちゃった！」

「ふふふ。おいでおいで」

「お邪魔しまーす！　おお！　アルだな！？」

そこには到底仔犬サイズじゃないデカい仔犬が尻尾を振って出迎えてくれている。

ワシャワシャと撫でる。
べっろべろ舐められる。

さすが超大型犬のグレードデン。

「はははは。すごっ」

「んで、どうしたの？」

「ん？　どうもしない。ハウスキーパーさん来たから逃げてきた」

「ははは！　そういう事ね」

しかし広いな。

「天音んちも来るの？」

「来るよ。だから私もその間はドッグランに逃げるか、那智ちゃんいれば那智ちゃんとこ行く」

「ははは！　だよね」

「那智ちゃんに会った？」

「会った会った。昨日。めっちゃ可愛かった」

「わかる。チマっとしてるよね。あれでプログラマーしてんだよ？」

「そうなの！？」

「だから平日は仕事してるけど、たまーに休みとってたりするからさ」