御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
大河はすごく優しい顔をして微笑んでいた。

「俺がそうしたかったの。泣くな。ほらおいで」

そう言って手を広げる大河に私は椅子からおりて大河に勢いよく抱きついた。

「大河っ…。大好きっ。どうしたら返せる? 何したらいい?」

「んじゃ、朝一緒に起きて、夜一緒に寝よ」

そんな…当たり前な…
いや。
違うよね。
当たり前じゃなかったんだから。

大河は抱きしめながら頭を撫でてくれる。

私はコクコクと頷いた。

「同じ場所で、同じ景色見て」

また頷く。

「こうしてくっつきたい時くっついて」

ギュッと力をこめる。

「一生、俺といろ」

私はもう涙が止まらない。
だってそんなの…
私がしてほしいと思ってた事だもん。

私はぐしゃぐしゃの顔をあげる。

「一生、大河といる」

「ああ」

大河は私の涙を親指の腹で撫でる。

「こんなに泣いて」

「うっ…だって…」

「可愛い。本当に」

そう言って優しくキスをしてくれた。

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