御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「春香。それぞれ皆んな生き方は違う。比べなくていい」
大河は一言で私を救ってくれる。
「うん。でも純粋に尊敬する」
私も笑顔で答えた。
「ほれ書いたら親父さんとこ行くぞ」
そして、パパからも無事にサインをもらった。
私の車には既にバイクが積まれていた。
「こっちの荷物はどこに積む?」
パパは私がニューヨークから送りつけたダンボール箱を持ってウロウロしてる。
「んじゃ、それはこっちで」
大河は受け取り、自分の車に乗せる。
柊麻も今日は珍しく何もない日だったようで手伝ってくれた。
「柊麻、今度俺とサッカーしようぜ」
「え? 大河くん出来るの?」
すっかり中学生になってさらに大きくなった柊麻。
「なめんなよ? ビビるぞうま過ぎて」
「ははは! 楽しみだな。また試合観に来てくれる?」
「ああ。もちろんだ。頑張れよ!」
そう言って大河は柊麻の頭をワシャワシャと撫でる。
「子供扱いすんなよ!」
「ははは! それじゃな柊麻。親父さんも。また来ます」
「ああ。春香をよろしく。いつでも遊びに来てくれ」
そして大河の車の後ろをついて、私も車を出した。