御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
愛しい
〜大河side〜

無事に春香の荷物も運び終わり、迎えた日曜日。

朝から俺は春香を連れて実家のレジデンスへと向かう。
役所に婚姻届を提出する前に。

「いらっしゃーい!」

親父とお袋が笑顔で出迎えてくれる。

リビングに移動してさっそくお袋が話し出した。

「春香ちゃん! 私菜由! ありがとうね、大河のお嫁さんになってくれて」

お袋が春香の手を取りブンブン振り回している。

「本当にな。実はもう昨日の夜、春香ちゃんのお父上と食事をしたんだよ。はははは」

「いや、誘えよ」

何やってんの?

「あははは! 違うのよー。違くもないけど。たまたま会ってね? 話しかけられたの! ほら、あんた陽平そっくりじゃない? もしかして神楽さんですかー?って」

お袋が早口で話す。

「それで立ち話もなんだしってなってな。んで、話してるうちに意気投合してよ。んじゃこれが顔合わせって事でってなったんだわ。いーや、春香ちゃんの親父さんめっちゃイケメンで驚いたぞ!」

親父も続く。

「あの、なんだか父がご迷惑を…。それから私もご挨拶が遅くなってしまい申し訳ございませんでした」

春香は申し訳なさそうにする。
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