御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない


「そんなのいいの! 春香ちゃん、ニューヨークで頑張ったわね」

お袋はまだ手を繋いでいる。

「いえ…そんな…でも、はい。頑張れたのは大河さんが支えてくれたおかげです。だから、これからは微力ながらではありますが、私が支えたいと思ってます。どうか、よろしくお願いします」

親父とお袋は安心したように微笑んだ。

春香が真っ直ぐに俺の両親に決心を告げるのを見て、柄にもなくグッときてしまう。

「こちらこそ大河を頼むよ」

親父も声をかける。

「いやぁ、美空の大地くんはイケメンだし、大河はこんな別嬪な奥さん見つけてくるし。なかなか俺たちの子、やるよなぁ?」

親父ー。
やめろー。

「本当よね!? 大河、大丈夫? ちゃんと、手加減しないと! ねぇ?」

お袋ー。
勘弁しろー。

「いや、無理だろ。なぁ?」

親父はニヤニヤしながら見てくる。
< 185 / 270 >

この作品をシェア

pagetop