御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「そんなのいいの! 春香ちゃん、ニューヨークで頑張ったわね」
お袋はまだ手を繋いでいる。
「いえ…そんな…でも、はい。頑張れたのは大河さんが支えてくれたおかげです。だから、これからは微力ながらではありますが、私が支えたいと思ってます。どうか、よろしくお願いします」
親父とお袋は安心したように微笑んだ。
春香が真っ直ぐに俺の両親に決心を告げるのを見て、柄にもなくグッときてしまう。
「こちらこそ大河を頼むよ」
親父も声をかける。
「いやぁ、美空の大地くんはイケメンだし、大河はこんな別嬪な奥さん見つけてくるし。なかなか俺たちの子、やるよなぁ?」
親父ー。
やめろー。
「本当よね!? 大河、大丈夫? ちゃんと、手加減しないと! ねぇ?」
お袋ー。
勘弁しろー。
「いや、無理だろ。なぁ?」
親父はニヤニヤしながら見てくる。