御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
そして一度家に帰ってこれから指輪を選びに街へ出る。
バイクで。
「おし。行くぞ」
イヤホンを付けて話しながらゆっくりと進む。
「サイコー! ちゃんと忘れてなかった」
ははは。
「気をつけろよー。クラッチ大丈夫そ?」
「大丈夫ー。やっぱり大河のバイクカッコいいわー」
「ははは。俺は?」
「ふふふ、言って欲しいの?」
「お前にはな」
「カッコいいよ」
ミラーを見ればニコニコしながら後ろからついてくる春香。
髪をヘルメットからなびかせて、大型バイクを乗りこなす姿は誰もが振り返って見る。
「お前もカッコいいよ」
そしてちょうど信号待ちで横にズレれば春香が隣りに並んだ。
「ふふふ。ありがと。楽しいね」
「ああ。最高だな。ちと暑いけどな」
「だいぶだねこれは」
「車にすれば良かったか?」
「いや、バイク乗りたかった」