御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
そしてようやくショップに入ると涼しさに感動する。

「す、涼しい」

春香も同じだったらしい。

「しばらく出たくないな」

「ゆっくり見よう」

なんか目的が変わっていて笑ってしまう。

少し見てみるけどあまりパッとしたのが見つからない。
思ったより値段も…
でも涼しいからとりあえず春香と見て回る。

「いらっしゃいませ」

その時声をかけられ、店員が俺たちを明らかに品定めしている。
クククク。
こんな場所にTシャツとパンツでキャップ姿だしな。

春香も笑いを堪えている。

「どういった物をお探しでしょうか?」

あんたらに買えんの?
って顔だ。

そして俺の付けてる腕時計を見てコロッと表情を変えた。
ダメだなここは。

春香と目を合わせてクスッと笑ってしまう。

「春香どうする?」

そっと耳打ちする。

「ここはやめる」

だよな。

「ありがとう。もういいよ」

俺はサングラスを外して笑って見せた。
すると若めの店員はわかりやすく驚いた顔を見せた。
春香もサングラスを外して微笑む。

そして二人で会釈をして店を出た。
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