御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない


そして店に入るとすぐに男性店員がやってくる。

「いらっしゃいませ」

ビシッと黒のスーツを着て、オールバックの髪はガッチリ固められて白のグローブをつけた店員に完璧な角度でお辞儀をされる。

おお。ここは普通だ。

「結婚指輪を数点見せていただきたい」

俺もつい仕事モードの話し方になってしまう。

「ではこちらへどうぞ」

男性店員の名札には店長と書かれていた。

「では準備して参りますので少々お待ちくださいませ」

するとその後すぐに他のスタッフが冷たい飲み物を出してくれた。

「ありがとう」

「ありがとうございます」

二人でお礼を言う。

「ずいぶんさっきの店と違うね」

「クククク。面白いな、いろんな店あって」

「大河も仕事中みたいな話し方してたよ」

「なんとなくな」
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