御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
これでよし。

ここの店は親父がお袋にやったのと同じ店だ。
まさか俺もここで買う事になるとはな。

親父もこうして買いに来たんだと思うとなんだか面白かった。

確か親父は秘書の設楽と来たんじゃなかったか?

設楽とはサイボーグみたいな見た目の奴で今でも親父の秘書をしている。
名前を呼ぶだけでなんでもやってくれるスゲぇ奴。

ククククっ。
面白いわ。

にしてもやっぱりスーツ着てるとどこに行っても見られるな。
はぁ。とため息を吐く。

会社のエントランスに入り受付を通る。

「お帰りなさいませ」

「ああ。おつかれさま」

エレベーターで執務室へと戻った。

すると丈慈がわかりやすく項垂れている。

「どうした? 戻ったぞ」

「ああ、お帰り。買えたか?」

丈慈が顔だけあげて聞いてくる。

「ああ。バッチリ。んで? 何かあったのか?」

「大河。驚くなよ」

なんだ?

「俺たちの秘書」

まさか!?

「女だった…」

「はぁー? 何で? 他にいねぇの?」

「なんか秘書課でそうなったらしい」

「え、それ大丈夫なのか? ずけー嫌な予感しかしないんだけど。翠は?」

< 197 / 270 >

この作品をシェア

pagetop