御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
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「ただいま」

「おかえりー!」

パタパタとキッチンから春香がエプロン姿で出迎えてくれる。

俺にはもう天使に見える。
女神でもいい。

ギューっと抱きしめて春香を吸う。
最高。
あいつらとは大違いだ。

そうなのだ。
つい先日から俺たちに女の秘書がついた。

俺には安藤姫子(あんどうひめこ)。
丈慈には小谷希江(こたにきえ)。

翠の言った通り仕事はできるが最悪だ。

まずくせぇ。
何しに来てんだ? って思う程に。

俺たちは申し訳ないがマスクを着用している。
喉の調子が悪いと言って。

それに比べて、俺の可愛い春香は何もつけてないのに甘くて美味しそうな匂いがする。

これなのよ。
求めてんのは。

「ねぇ。なんか最近臭いよ大河」

「え、俺? 臭い?」
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