御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
次の日も次の日も、二人して香水を馬鹿みたいに付けてきて執務室は悲惨な事になっている。

せっかくの愛妻弁当が残り香で台無しだ。

「丈慈…食欲失せね?」

「本当それ」

でもな、二人で食堂なんか行ったら大騒ぎだよな。

仕事は翠の言った通り出来るのはわかった。
わかったけど、二人して服装がまず派手すぎる。

それからやたらと猫撫で声なのも非常に耳障りだ。

俺たちが結婚してる事は知ってるはずなのに、何を期待してんだか女全開だ。

迷惑でしかない。

ブラウスのボタンを大きく開けて、わざと谷間を見せるように物を取ったり。

こないだは離れて歩く俺に、躓いたふりなのか何なのか、ごめんなさいとか言って急に腕を掴まれ胸を押し付けられた。

ずいぶんと胸に自信がおありなようで。
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