御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない


そんな丈慈を見て秘書の二人は驚いている。
それもそうか。

コイツは天音ちゃん以外には本当に冷たいからな。

ニコリともしねぇ。

まぁ俺もだが。

「君たちは本日は欠席で。もう帰ってもらって大丈夫だ。お疲れさま」

俺は彼女たちに再度言う。

「え!? でもっ」

「帰るんだ」

少し強めに言えば二人はビクッと肩をあげた。

すると翠が静かに扉を開けニコッと笑う。
早く出てけと言わんばかりに。

二人はプイッとして出て行った。

マジで勘弁だ。
今日だけじゃなくて今後もう現れないでほしい。

「お疲れ様」

春香が俺を見上げてニコリと笑う。

「ああ。よく来たな。綺麗だ」

ついこのままキスしてしまいたくなる。

「大河ー」

翠に呼ばれ現実世界に戻る。

「わかってるって」

「それじゃ行きましょうか」

翠を先頭に俺たちは妻をエスコートしながら部屋を出た。



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