御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
もう!
さすがに恥ずかしいわ。
サングラスをかけて大河をギッと睨む。
あ、意味ないね。
見えてないね。
少しだけサングラスを下ろして目を見せてべーっと舌を出してエンジンをかければ、外で大河がクスクス笑ってる。
本当にもう!
大河が優しく微笑んで手を振ってくれる。
見送りなんていいのに。
早く戻ってお昼休憩しなきゃなのにさ。
結局私もニコッと笑って手を振り車を発進させた。
ミラーで最後に確認すると、大河はまだ見送ってくれていた。
いい男が過ぎる!
夏だからなのか、大河の熱に浮かされてなのか顔が熱い。
まさか会社でキスしてくるなんて。
ここはニューヨークじゃないのよ?
ニューヨークじゃそんなカップルばっかりで、人目も気にせずキスしちゃってたけどさー。