御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「販売員は店の看板。ようはブランドの顔なんです。一人一人のスタッフがその顔となって、憧れの的として活躍できる場所です」

「でも実際は接客以外にも事務作業もあるしやる事はたくさんありますよね」

みんな苦笑いだ。

「ブランドの服を着ている間は変な事もできないし」

「でもやっぱり、好きだから着ちゃうのよね」

そう言えばみんな笑いながら頷く。

「まずは普段から楽しみながら働く事ができればいいと思います。考え方を変換するんです。脳内は自由だし、誰にも知られないわ」

みんな首をかしげる。
これは私が昔先輩に教えてもらった。

「たくさんお客様が来て次から次へと接客をする時。ニューヨークは特にそんな感じでした。勝手にこう思うの。
"みんな、私が好きすぎて会いに来た"って」

クスクスっと笑われる。

「店頭での自分は、スターだと思い込むのよ」

「みんな好きな芸能人がいたら、憧れの人に手を伸ばしたり、手を振ったりしますよね?」

「想像してみて。嬉しいでしょ?」

「だと自然と来てくれてありがとうって気持ちになるのよ」

みんなは笑顔を見せる。
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