御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない

「ちょっと話しが脱線したけど、夢や希望を見失わないで欲しい。諦めないで欲しい」

「みなさんはこれから、どんどん輝いていける人達です。これからも大好きなYUI FUJISAKIの顔として、自信を持って頑張って行ってください」

そう言うと、みんなから拍手が上がった。

私はマイクを切ってお辞儀をする。

ゾロゾロとお礼を言いながら晴れやかな顔をして出て行くみんなを見送る。

最後の一人を見送った所で私はようやく椅子に座った。

すると一人の女性が入ってきた。
ん？
忘れ物かな？

「春香ちゃん」

名前を呼ばれる。

え？

「は、はい」

ものすごい美人だ。

そして急に抱きしめられた。

へ？

「あ、あのっ…私には夫がいまして…」

あたふたと訳のわからない事を言ってしまう。