御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない

離さない

研修もこうして無事に終わり、また普段の生活に戻った。

と言ってもそんなに変わらない。

朝目覚めてキスをして、お弁当を作って朝食をとって見送る。

最近は朝から盛り上がってお弁当が作れなかった日は、お弁当を届けてからあのカフェでランチをとったりして。

大河と夜ご飯を食べる。
今日はおろしをのせた和風ハンバーグ。

「春香、今日もありがとな。届けてくれて」

今朝はまさにそのバージョンだった。

「ふふふ。全然大丈夫」

大河と渡すタイミングが合わない時は秘書の原田さんにお弁当を預ける。
今日はそうだった。

「今日もカフェでランチしてたろ」

「ん？　してた。あそこのサンドイッチ美味しいの」

大河が笑う。

「なんか噂なってるらしいぞ」

「え？」

「俺の奥さんがカフェでランチしてるって」

ハンバーグをバクっと食べた。
白米もでかいひとくちで。

「ははは。そうなの？　とりあえず誰かと目が合ったら笑って会釈してるよ」

「それか。なんかアイドル扱いされてるらしいぞ。翠が言ってた。クククク」