御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
春香の頬がいつもより赤く染まって見える。

可愛いな、本当に。

「春香。愛してる」

そう言って可愛い春香の唇に迷わず食らいついた。

春香も一瞬驚いたみたいだが、諦めてくれたようだ。
春香とするキスは極上のキスだ。

周りからは悲鳴と野次が上がっているが無視だ。
あとは親父さんの泣き声。

想定内だ。

そして春香にトンと背中を叩かれ、俺は渋々唇を離した。

春香は無言で睨んでいる。
あ、我慢してた感じ?

「ククククっ、可愛い」

「もうっ!」

「大丈夫。ここニューヨークだから」

「んな!?」

はぁ、最高。

そして宣言もして、サインも書いていよいよ退場だ。

ゆっくりと歩幅を合わせて歩けば、両脇から盛大な拍手と祝いの言葉が次々と飛んでくる。

2人でそれに応えながら歩き、最後にお辞儀をして扉がしまった。
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