御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
その時、左手に目が止まった。

「え!?」

「ちょ…締めすぎっ…」

驚きのあまりそうなってしまった。

「こ、これ…」

そこには私の左手の薬指に、昨日はめたばかりの結婚指輪の他にもうひとつのドンピシャなデザインの指輪がはめられ煌々と陽の光を反射して光を放っていた。

私は大河を振り向き見る。

「俺、婚約指輪も渡してなかったし。すぐに籍も入れて婚約期間もなかっただろ」

そしてもう一度指輪を見る。

「かわいい…」

大河は繋がったまま動かず一緒に指輪を見る。

「似合ってる」

そう言ってこめかみにキスが落とされる。

私も大河の手をとり結婚指輪のついた手をまじまじと見る。
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