御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
そして再び動き出す。

「んっ…幸せっ…」

「そうだな、俺もっ…」

大河が繋いでくれてる手を見てこの数年を振り返る。

この手に捕まったら最後、逃げる事なんてできない。

逃げても逃げても追いかけてきて。

今ではすっかり彼の手の中に収まってしまった。

簡単に壁を乗り越えて、私の心に土足で入ってきて。

しっかりと踏み固められた。
彼の愛で。

スカスカだった隙間をひとつずつ埋められ、ささくれ立ったひび割れていた心はしっかりと補整されて、もう決して崩れることはない。

だからこうして私は立っていられる。

「この手、離さないでね」

大河はフッと笑って私を見る。
その瞳の奥はギラっと光り、獲物を捕らえたみたいに。

「離さねぇ。一生な」

そう言って大河は、さらに私をキツく抱きしめて手を握る力を強めた。

私も。
絶対に離さない。

ずっとずっと。
私もあなたへの愛を証明するから。




ーENDー
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