御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない

ま、どうせ私だとは気づかないでしょ。
なんなら私の事なんて忘れてるはずだ。

私は今パパから借りた黒のコーチジャケットを羽織って、サングラスをかけてヘルメットをかぶってる。
髪は下ろしてるため後ろでパタパタなびいてるから、女性だとはわかるだろうけど。

パパも同じで、コーチジャケットにお揃いのヘルメットとサングラスだ。

パッと見るだけではただの若者にしか見えないかもしれない。

すると信号が変わりパパが手でついてこいと合図をして先に行き、私もついて行く。

サイドミラーには斜め後ろから悪魔がついて来ているのが確認できた。

「パパ、左曲がろ」

「了解ー」

マイクで話し、パパは次の交差点で左に曲がって悪魔はそのまま私に気づく事もなく前進して行った。

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