御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
その女は、黒の髪を前髪ごとビシッと後ろでお団子にしていて、物凄く小顔だった。
まるく綺麗なオデコが女性らしさを出していて、そこに見事なバランスで目や鼻などのパーツが並んでいた。
俺たちの妹もまぁ美人ではある。
そしてその女の隣の連れも美人だった。
でも俺にはこの女が一番輝いて見えた。
まるでスポットが当たってるみたいに。
凛と佇むその姿に一瞬で釘付けになる。
しかも、偶然にもその女の連れは丈慈がずっと探してた女だった。
俺たちはナンパされてる彼女たちの元へ迷わず向かう。
男を追っ払って彼女に話しかけた。
「大丈夫?」
彼女は大丈夫と言った。
その声が女性にしては低くて、すごく耳に心地よかった。
キャーキャーうるさい赤の他人の声は耳触りでしかねぇ。