御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
何度か翠から連絡が入るも、もろ最中だし後ででいいかと携帯を裏返す。
どうせパシリの連絡だろ。

すると再び鳴る携帯。

さすがに至急の連絡かと思いまた携帯を見れば今度は丈慈だった。

クソ。
なんだよ今度は。
兄妹揃ってよ。

そして繋がったまま電話に出る。

「…んだよ」

思わず低い声が出る。

『大河。会議だと。翠からメール行ってるはずだ。んじゃな』

「は？」

今から？　と聞こうとすれば切られた。

そしてすぐに翠のメールを確認すれば、もう今今会議が始まる時間だった。

クソっ。
まだ繋がってたかったのに。

俺はそっと離れてシーツをかける。
裸を見るだけでまた欲情しそうだったから。

また今度ゆっくり会おう。

「行くわ、最高だったわ。またな」

そう言って着替えると俺は部屋を出た。

フロントで支払いを済ませる。
あ、ヤベ。
急ぎすぎてタクシー代も置いて来てねぇや。

そのまま適当に財布に入っていた現金をろくに見ずにフロントのスタッフにタクシー代だと伝言して預け、俺はホテルを出た。





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