御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
てかあの男誰だよ。

男いたのかよ。
しかもめっちゃいい男じゃなかったか?

この辺に住んでるんだろうか?
たまたま来ただけ?

ダメだ。
気になって仕方ねぇ。

でもそれからさっぱり見つけられない。

ーーーー

そして今日、丈慈が業務中にとんでもない事を言った。

「俺、結婚する事なった」

俺は急ぎのメールの返事を打っていて一瞬理解できなかった。
多分翠も。

「……は⁈ 結婚って言ったか⁈」

俺は手を止めてバッと丈慈を見る。
この執務室は俺と丈慈が兼用で使用している。
ちょうど今は、秘書の翠もテーブルで資料をまとめている最中だ。

「ああ。結婚する。天音と」

「えーーーー⁈」

翠も聞いていたようでここが執務室だということも忘れ大声で叫ぶ。
俺は驚きのあまりパクパクと口を動かしてしまう。

「は⁈ いつの間に⁈ お前、連絡取れなくていたんじゃなかったのかよ」

「え⁈ どこの誰⁈ 知ってる人⁈」

二人して質問攻めだ。

「ああ。あ、そう言えば…。お前、あの時の春香ちゃん」

「春香ちゃんだぁ⁈ お前、会ったんか⁈」

俺は物凄い勢いで丈慈に詰め寄る。
何でそんな大事な事いわねぇんだよ!
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