御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「これにする」

「ありがとうございます」

「俺ここの店舗来た事無かったな。いつももうひとつの方行ってたから」

「そうだったんですね。では次回はぜひそちらで」

来んなって事かい。
めちゃくちゃ笑顔で他店勧めんなよ。

「はははは。そうだな。なぁ、春香。まずは友達にならないか?」

「は?」

ショップ袋に入れながら手が止まり、馬鹿なの? って目で見られた。

「なんの?」

あ、身体のオトモダチだと思ってるなこれ。

「あ、そっちのじゃなくて。普通の」

「なんで?」

「いや俺、春香の事知らねぇし」

「無理」

「んじゃ、また来るわ」

俺は何も聞こえなかったように春香の手から袋を取り上げて店を出た。
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