御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
よし。
ツーリングは一人だけど、行き先は決まった。

柊麻のサッカーをみるのも久しぶりだし、楽しみだな。

それから休みまでは、なんとあの悪魔は店まで来なかった。

なんだよ。てっきり毎日来るのかと思ったわ。
すっかり拍子抜けしてしまう。

意外とあっさり引くんじゃん。
ま、そうでしょうね。

あんな見た目の人、他にもたくさん遊ぶ相手がいるでしょうし?

見込みのない人を追いかけるなんて天と地がひっくり返ってもないだろう。

しかも友達って何よ。
騙されないわよ!

柊麻を玄関で見送って私も支度を整えバイクに跨る。
今日は黒の革ジャンに黒のパンツを履いて編み込みのブーツを合わせた。

しばらく走っていると、何台かのバイカーとすれ違いその度にハンドサインが飛んでくる。

みんな知らない人だけど、なんか一人じゃないみたいで楽しくなる。

今は冬場だしヘルメットや、ゴーグル、マスクなどで顔を煽っているからどんな顔かもわからないけど、どうしてか良い人に見えてしまうマジックが起こる。

< 60 / 270 >

この作品をシェア

pagetop