御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
「私も見ていい?」

「いいよ」

私も悪魔のバイクをぐるぐる回りながら眺める。
悪魔のバイクの方がカッコいいじゃん。

「凄いね、カッコいい。こことか」

「お、わかる? 俺もこれ結構こだわったんだ」

「わかるわかる! これめっちゃいい!」

そんな事を言いながらお互いのバイクを褒め合い、気づけばすっかり普通に話してしまっていた。

「コーヒー飲む?」

え?

「俺買ってくる。ブラック?」

「あ…うん。ありがと」

そういうと、悪魔はスタスタと歩いて行った。

いやさ、モデルか?
いちいちカッコいいな、しかし。

みんな振り向いて見てるよ。

少し明るめの地毛はサイドが短く程よいカールのウェーブヘアで、ムカつくけど凄くそれが似合ってる。

グローブを外すとさすがに手が冷えるな。
手を揉みながら悪魔が戻るのを待つ。
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