御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
その後も悪魔は一定の距離を保ったまま、結局スタジアムまでついて来た。

信じらんないわ。
その強靭なメンタル。

バイクを止めると、悪魔も隣に並んだ。

おいおい。

どこまでついてくる気だ?

私は何も言わずにヘルメットを外して持ってきていたキャップをかぶる。

ヘルメットを手にもち柊麻のいるスタンドへ歩いて向かった。

すると悪魔も同様、ヘルメットを手に持ってどこから出したのかキャップを被って小走りでついて来て私の隣に当たり前のように並んで歩き出した。

「サッカー見んのか?」

無視は続く。

「お、無視だな」

何で楽しそうなんだよ。

「俺サッカーの試合見るの久しぶりだわ」

なんて言って、私の無視をものともせずその後もズンズンと歩く私に普通についてくる悪魔。

「懐かしいー。俺もサッカーしてたんだよな」

そしてスタンドについてベンチに座ると、やっぱり悪魔も当たり前のように隣に座った。
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