御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
柊麻も誰？　って一瞬顔に出たがすぐに意識を試合に戻した。

その後もなかなかいい試合を見せてくれる柊麻。

相手チームの１０番もなかなか強くて頑張ってる様子に応援席も盛り上がりを見せる。

その時、高く上がったボールをヘッドで受け止めようとジャンプした時、相手チームの子と頭が思いっきりぶつかった。

そのまま頭を抱えてうずくまる柊麻。
相手の子も同じように倒れこんでしまっている。

「え！？　柊麻！？」

一度試合がストップする。

私は立ち上がり、手すりの所まで駆け寄る。
頭から血が…

タンカが運ばれてきて柊麻が乗せられる。

「え！？　どうしよう！？」

「落ち着け。こっちだ」

するといつの間にか隣に来ていた悪魔が私の手を取りスタンドから出ると、グランドの方へと駆け足で連れて行ってくれる。

「血がっ…血が出てたっ！」

「大丈夫。大丈夫だから。落ち着いて」

一度立ち止まり、軽くパニックを起こす私の両肩に手を置いて、落ち着いた声でしっかりと目を見て言われる。

「俺を見て。そう。深呼吸して」

私はなんとか言われた通りに目を合わせて深呼吸をする。
すると不思議と少し落ち着いてきた。
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