御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
車を走らせ間も無く目的の店に到着した。

二人でカウンターの鉄板の前に並んで座る。

「適当に注文していいか?」

「あ、うん」

彼はそう言うとメニューも見ずに注文をした。
来慣れてるね。
どうせここにもいろんな女を連れて来てるんだろうな。
なんて関係ないのにそんな事が頭を過ぎる。

「ノンアルにしたけど良かった?」

私はコクっと頷いた。

「あの…ここ、私が出すから」

「は? 何で?」

それは不思議そうに私を見る彼。

「いや…昨日迷惑かけたし。それのお礼」

「いや、いい。別に礼をされる程何もしてないだろ。俺が勝手に着いてっただけだし」

「いや、でも…」

「まずいいから本当に。そんなん気にしなくていいから食え。腹減ってんだろ? 美味いから」

そう言って焼けたお肉が乗ったお皿を私の前に置いてくれる。

本当に美味しそう。

「ほら、食べよう」

焼けたお肉を前にしたらとても美味しそうな香りに刺激され喉から手が出るほど食べたくなる。

「いただきます」

塩とワサビを少し付けてパクッと一口食べる。
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