御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
あんの悪魔め!
キスマークつけやがった!
「あ、本当だね! 通りで痒いと思ったんだよね。大丈夫、虫さされの薬はお姉ちゃんもってるから! ありがとうね!」
どうだ?
これで誤魔化せたか!?
「あ、そうなの? でもこんな時期に珍しいね」
んぬ!?
確かに。
今は秋になりそうなそんな季節。
いや、いるだろ。1匹くらい。
血吸いたい虫。
「本当だね! まだいるみたいだから、柊麻も気をつけないとね!」
「お姉ちゃん、それキスマークでしょ」
グァ!
なんだなんだ!?
最近の小学高学年はそんな事知ってんのか!?
「え!? なわけないじゃん!」
「大丈夫だよ。俺パパには黙っとくし。パパの前では隠しておきなよ」
そう言ってニタニタしながら部屋を出て行った。
おいおいおいおい!
柊麻よ!
あんな顔もできんのか!?
てかすっかり大きくなったな。
柊麻は発育良好で五年生にしてすでに160センチを超え、確かに今思えば中学生くらいに見えなくもない。