御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
これまで私が経験してきたのはあんなんじゃなかった。

彼氏でも遊び相手でも。

あんなの知ってしまったら…

だからやめやめぃ!

ダメに決まってる。
あれは遊び相手でもダメだ。

到底割り切った関係を続ける事なんて無理だと思う。
絶対に最後に泣くのは私だ。

ましてや彼との未来はない。
私は結婚するなら普通の人がいい。

そう。
普通の人がいい。

過剰なものはいらないんだから。

彼はお金も持ってる上にイケメンだ。

間違ってもそういう目で見てはいけないのだ。

しかも手切れ金を置いてホテルに置き去りにしたんだぞ。

なのに今更一体何を企んでる?

でも彼を見てると違和感があるようにも感じる。

パニックになる私を宥め落ち着くように寄り添い、柊麻の病院に付き添ってくれたり。

彼が話す一言一言が、手切れ金を渡して食い逃げするような人に見えなくなってきてる。

そんな事を思っていても大河は懲りずに私の仕事が終わる時間になると待ってる。

毎日ではないけど。

なんなん?
本当に友達なりたいのか?

今日も誘われて、なんだか以前のように無視も出来ず何故か大河の車でドライブをしている。
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