御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
そして遂に天音の結婚式の日がやってきた。

私は今だに大河に言えていない。

だって…

気づいてしまったから。

大河が好きだって。

しかも、偶然にも結婚式の翌日に私はニューヨークへたつ。

これは親友の天音にさえ言っていない。

私はよく考えた末に離れる事を決意した。

だってやっぱり私には無理だから。

もしこの気持ちを打ち明けたとして、万が一大河も同じ気持ちだったとしたら…

絶対に離れられなくなる。
引き止められれば、いう事を聞いてしまう。

今ならまだ大丈夫なはずだ。
この気持ちは一時的なものだきっと。
そう言い聞かせる。

最小限のダメージで済むはずだ。

大河への気持ちを胸にしまい式場へと向かう。
今日はお酒を飲むだろうからタクシーで来た。

会場へ迎えば愛しくてたまらない大河の姿を見つけた。

やっぱり誰よりもカッコいい。
本当に。
ムカつく程に。

大河が私に気づいて駆け寄ってきた。

「春香」

「大河」

今日の大河はいつもに増して男の色香で溢れかえって見える。
< 94 / 270 >

この作品をシェア

pagetop